ホームヘルパーとして働くときに、避けては通れないのが面接ですが、最後の方で「何か質問はありますか?」と逆質問をされることがあります。
逆質問で何を聞くかによって、採用か否かが決まってしまうこともあるほど、大切な局面です。
ここでは、面接官が逆質問をしてくる目的と、実際に介護職の面接官を担当したことのある方からヒアリングした、おすすめ逆質問集をシェアします。
逆質問の目的
面接官が逆質問をしてくるのは、何となく時間が余ったからといった理由ではありません。
逆質問で何を聞いたかによって、あなたの仕事への考え方やモチベーション、介護観などを少しでも知ろうとしているのです。
応募者に意欲があるなら、逆質問が何もないというのは考えづらいですよね。
どうしても思いつかない、あるいは、知りたかった情報はすでに転職エージェントや直接聞けたという方は、応募した事業所のホームページをチェックしてみましょう。
運営に力を入れている事業所は、ホームページやSNSによる情報発信に力を入れていることも多く、事前にそれらを調べてきた旨が伝わる逆質問を用意しておけば、自然と熱意も伝わるでしょう。
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おすすめの逆質問集
介護士の離職率が高まる理由として、介護に対する覚悟が足りない方が、安易な気持ちで職に就いたためだと私は考えております。
御社は、介護士の離職率について、どのようにお考えでしょうか?
介護業界の問題に対して関心があることと、同時に自分は介護士のお仕事に対して情熱を持っていることをアピールできていますね。
私は介護現場の課題の一つとして、人手不足が原因で利用者に対するサービスの質の低下を招いてしまっていると感じています。
御社が感じている介護現場の課題とはどういったものでしょうか?
人出不足によるサービスの質の低下を話題に出すことで、問題に対する解決策をいつも考えて仕事ができる人材であることをアピールしています。
御社に在籍している介護職員の離職理由でもっとも多いのは何でしょうか?
一見、「失礼かな?」と感じる質問ですが、これまで働いてきた職員のES(社員満足度)を図ることを目的に聞くのはアリです。
ブラック体質の事業所は、この質問をされると少しは「ドキッ」とさせられるのではないでしょうか。
御社の職員同士のコミュニケーション状況、環境について伺ってもよろしいでしょうか?
円滑なコミュニケーションがとれているかどうかは、たとえ介護士同士の連携が少ないホームヘルパー業務においても、重要なファクターです。
上記の離職理由の質問と重ねて使ってみると、より良いかもしれませんね。
ご利用者様との関係性や介護をしていく中で、不安や疑問が生じた時、どのようなフォロー体制が整っていますか?
在宅訪問の場合、スタッフとご利用者様との関係が密になりやすい一方で、一度関係が悪化すると、ホームヘルパーを交代したり、サービス提供責任者(※以下、サ責)のフォローを必要とするケースがあります。
解決が困難な事例について質問することで、在宅訪問に対する深い理解度や、真剣度を相手に伝えることになりますね。
御社の夜勤体制は何人体制ですか?
シンプルですが、有料老人ホーム(※以下、有料)で働く場合などは、大切な確認事項ですよね。
御社で働くとなったら、月々の残業はどれくらいを想定しておけばよいでしょうか?
こちらもシンプルですが、残業時間を聞くことで実態調査ができますし、仕事への責任感を持っていることのアピールにもなります。
この話の流れで、自分の残業できる範囲や、残業代が支払われているかどうかの確認もしておいた方が良いでしょう。
御社の介護職員は、ご利用者への話し方はどんな感じでしょうか?
介護士とご利用者の距離が近くなることで、言葉遣いがフランクになり過ぎる問題があります。
話し方に関する質問を投げかけることで、自分はご利用者に対して尊敬の念を持つ人材であることへのアピールにつながります。
ご利用者の容態が急変した場合、どう対応すればよろしいでしょうか?
要介護度の高いご利用者のケアを担当していれば、在宅介護であっても、緊急時の対応をすることはあり得ます。
この質問によって、自分は緊急時でも自己判断で動かず、冷静に対処ができることをアピールすることができます。
御社の社内研修や資格取得支援の体制についてお聞かせください。
スキルアップにかかわる研修や資格所得支援の質問をすることで、長期的なキャリア形成を考えている、将来性のある人材であるアピールになります。
現に、スキルアップ関連の質問をする介護士は、サ責や施設管理者などのポジションまで昇進するケースが多いと評価している事業所もあります。
まとめ
もし、逆質問をして得た回答に違和感を感じたり、納得ができなかったりした場合には、入職は見送るべきです。
売り手市場と言われている介護業界だからこそ、働きやすい職場なのかどうかを面接で正確に見極める必要があります。
面接の場は、応募者だけでなく、応募先の事業所や施設を評価する場でもあります。
自分の期待する水準に満たないのであれば、早めに判断をして、次の応募先を探したほうが賢明ですよ。