ホームヘルパーへ転職

ハローワークで「初任者研修」を無料取得できる方法とは

実は、介護施設内においては、介護資格のない職員でも働ける求人は数多くあります。

しかし、訪問介護に当たるホームヘルパーのポジションで働くには、「介護職員初任者研修」の修了(取得)が最低限求められます。

ここでは、「介護職員初任者研修」の受講にあたり、無料で申し込みができる、ハローワークの求職者支援制度についてご説明します。

無資格ではホームヘルパーになれない理由

現在の介護法では、無資格のままホームヘルパーとしてお仕事をすることはできません。

ホームヘルパーは高い需要があるにもかかわらず、なぜ無資格の介護士求人が募集されていないかといえば、政府による介護法の改正が深くかかわっています。

ここでは、政府の介護法改正によって、ホームヘルパーへどのような影響があるのかをご説明します。

政府は、超高齢化社会化によって年々膨れ上がる介護費用の捻出を抑えるべく、2006年4月の改正で介護被保険者であるご利用者の介護認定基準を大幅に変更しました。

カンタンにいうと、介護度の低いご利用者は、介護事業所や施設ではなく、各地方自治体管轄の「地域包括支援センター」を中心にサポートすることとなり、歩行困難や寝たきりなどの介護度の高いご利用者を中心に介護保険制度を使うよう仕向けたのです。

2017年4月からは、要支援のご利用者へのサポートは「介護予防・日常生活支援総合事業(※以下、総合事業)」として、各地方自治体の管轄となり、介護保険制度から完全に切り離されました。

埼玉県志木市の4日間のヘルパー研修について:
https://www.city.shiki.lg.jp/sp/index.cfm/60,84431,160,html

上記は埼玉県の事例ですが、数日間の研修を受ければ、初任者研修を修了していない無資格者でも、要支援のご利用者のケアはやってもOKのルールがすでに出来上がっています。

つまり、ホームヘルパーとしてケアをする介護保険ご利用者は、すべて要介護認定を受けており、これまで以上に専門的な介護技術が求められるよう変化してきたといえます。

無資格・未経験から訪問介護のお仕事をするなら、まず「介護職員初任者研修(※以下、初任者研修」の修了が第一条件となります。

(※初任者研修の上位資格である実務者研修、介護福祉士を取得している方も、訪問介護のお仕事はできます)

ハローワークで初任者研修を無料で受講する

国家資格である「介護福祉士」の登竜門である「初任者研修」は、さまざまな受講方法がありますが、低賃金とされる介護業界で働くなら、少しでも支出を抑えておきたいところですよね。そこで、無料で「初任者研修」を受講できる方法をご紹介します。

「初任者研修」は、ハローワークの求職者支援制度を利用することで、無料で受講することが可能です。

求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者の方(※1)に対し、

  1. 無料の職業訓練(求職者支援訓練)を実施し、
  2. 本人収入、世帯収入及び資産要件等、一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練の受講を容易にするための給付金(職業訓練受講給付金)を支給するとともに、
  3. ハローワークが中心となってきめ細やかな就職支援を実施することにより、安定した「就職」を実現するための制度です。

※1雇用保険の適用がなかった方、加入期間が足りず雇用保険の給付を受けられなかった方、雇用保険の受給が終了した方、学卒未就職者や自営廃業者の方等

引用元:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html

上記はハローワークサイトから引用した文章ですが、カンタンにいうと、

ポイント

  • 失業手当の給付を受けていない方でも、スキルアップのサポートしますよ
  • 貯金もなく、生活の苦しい方は、支給要件を満たせばお金も支給しますよ

ということですね。
つまり、ハローワークで求職者支援制度を利用すれば、無料で「初任者研修」を受講することが可能なんです。

ただし、求職者支援制度は、応募条件や面接による選考がありますので、最寄りのハローワークで受講スケジュールや申し込み要件を確認する必要があります。

面倒なのが、「ハローワーク 初任者研修」「ハローワーク 求職者支援制度」などとネット検索をしても、ハローワークのサイトが検索画面に表示されないところです。
ネットから情報収集するなら、下記の厚労省が提供するホームページから検索するとスムーズです。

ハロートレーニングコース情報検索:http://course.jeed.or.jp/onestop/

ハローワークのルールは、各地域によって多少違いがみられるため、ご自身で最寄りのハローワークにお問い合わせしてください。

求職者支援制度の面接【100%採用を目指して】

求職者支援制度は、応募要件はいくつかありますが、中でも肝心なのが面接選考に合格することです。

求職者支援制度の面接については、地域差など環境の違いはあるものの、共通してハズせないポイントやコツはあります。
ここでは、筆者が実際に面接をご経験された方からヒアリングした内容をもとに、100%選考に通るためにやるべきことをまとめます。

面接当日の服装

カジュアルな服装で面接に臨む方もいますが、確実に面接官にやる気や誠意をアピールしたいなら、清潔感のあるスーツ姿が望ましいでしょう。

訓練コースの応募人数や倍率

人材不足の介護業界ですが、無料で受講できるメリットが大きいからか、地域によっては倍率は1.5~2倍以上跳ね上がることもあります。
つまり、定員オーバーにより面接選考で落とされることも十分あり得るわけです。

また、定員割れ(※応募人数が募集人数に満たない)の場合でも、全員が合格する保証はなく、面接の態度によっては落とされる可能性があることも覚えておいてください。

面接会場の様子や雰囲気

面接会場は、実際に通学する民間スクールで行われるケースもあれば、民間施設の会議室のような場所で行われることもあります。

面接官は、主に2~3人で向かい合って座って行われる、通常の企業面接と同じような環境です。

面接の雰囲気も、フランクな感じで話しやすい感じで進むケースもあれば、重苦しい緊張感を保ちながら進むケースもあります。

面接で受ける質問内容について

筆者がヒアリングをした内容をもとに、質問内容をまとめると、以下のようになりました。

  • なぜこの職業訓練校を選んだのか?
  • 全日程を参加し、修了する意思があるか?
  • 介護の仕事をしたいか?
  • 介護は何が一番大事と思うか?
  • 介護の仕事はツライけど頑張れるか?
  • 介護業界でどんな働き方や職場を希望しているか?
  • 転職経験が多い理由は?
  • あなたはどのような性格?

これらの内容から分かることは、求職者支援制度の面接は、介護士として受ける面接の内容と変わらないという点です。

ただ、就職・転職面接と今回の面接で大きく違う点は、あくまでも訓練コースに通学できるかどうかのジャッジが下されるところ。

つまり、面接官が見定めているのは、

  • 資格修了を目的としていないか?
  • 就業することに意欲があるのか?

この2点です。

ぶっちゃけ、未経験無資格で資格取得した後、本当に介護士として働けるかどうかなんて、誰にも分かりません。

しかし、熱意や情熱というのは、相手の表情や言動、立ち居振る舞いなどから、相手に伝えることはできます。面接官は、答え方ではなく、内面を見ていると理解しましょう。

面接選考に通るコツとは

繰り返しますが、面接官は「なぜ介護なのか?」という視点で見ています。

介護業界は、体力・精神面でツラい局面が多い上に、低賃金が問題視されているため、「どうしてわざわざ介護を選んだのですか?」の質問にスッキリ答えられなければ、選考には通らないでしょう。

まず、介護に対する気持ちを伝えるには、以下の2つのポイントを抑えてください。

  • 両親や義父義母の介護
  • 具体的なキャリアビジョンを伝える

両親や義父、義母の介護をきっかけに介護士に興味を持ったケースは鉄板ネタであり、よく耳にする体験談です。

もし、両親がまだまだ元気で健在でも、「いずれは自分が親の介護をしなければならないから」といった切り口で話すこともできますよね。

気を付けたいのが、他業種からの転職志望です。

たとえば、これまでずっと事務職をしていた方が、急に初任者研修の受講を希望したら、面接官は「なぜ?」となりますよね。

他業種からの転職志望で大切なことは、将来のキャリアビジョンをはっきり伝えられるかどうかです。

たとえば、「ご利用者とゆっくり向き合える一対一の介護が実現できる、グループホームや訪問介護のお仕事から学んで、将来的には介護福祉士やケアマネージャーの資格を取得して、買い越しとして生計を立てられるようになりたいです」といった、具体的なビジョンです。

まとめると、「なぜ介護をしたいのか?」「将来はどうなりたいのか?」の2点がしっかり抑えられていれば、よほどの競争倍率でなければ選考には通るでしょう。

初任者研修修了後の入職について

求職者支援制度は、就職希望者のための制度ですが、研修修了後に100%お仕事に就くよう強制指導されるわけではありません。

ハローワークによっては、あまり就職先のあっせんに積極的ではないこともあるようで、訓練を受けた民間スクールの紹介で決まったり、自力で見つけたりと、資格修了後すぐに働けるかどうかは人によって様々です。

また、初任者研修は、特養やグループホーム、訪問介護事業所などさまざまな職場体験をする実技カリキュラムがあるのですが、研修先で声をかけられて、そのまま入職するパターンもありますね。

まとめ

「初任者研修」の受講に関して、ハローワークにこだわらなければ、もっと選択の幅が広がります。

たとえば、人材派遣会社の「かいご畑」という求人サイトでは、無料で登録した後、派遣社員として働きながら「初任者研修」のスクールへ通うことが可能です。

地方自治体を見ていくと、東京都などは1~3回介護の職場体験をした無資格者を対象とした、「介護職員初任者研修資格取得支援事業」を実施しています。
以下の、東京都ホームページに、参加事業者のリストが掲載されています。

もしくは、自分から「ニチイ」「ベネッセ」「三幸福祉カレッジ」「カイゴジョブアカデミー」といった民間スクールに、直接申し込みをすることもできます。

民間スクールで受講する場合、通常はスクールにかかる料金が発生しますが、スクールから推薦された就職先で採用が決まれば、キャッシュバックされるシステムを導入しているところもあります。

ただ、ハローワーク以外の資格取得支援は、基本的に「働きながら通学すること」が要件となっているため、在学中の学生さんや、今後のキャリアを見据えて今のうちに資格だけと考えている主婦層などには、不向きと言えるでしょう。

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ピヨ太郎

当サイト管理人のピヨ太郎です。 介護職は未経験ですが、多くの介護士さんと協力しながら、サイト運営ガンバリマス( ゚∀゚)っ

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