いざ、介護の求人へ応募するとき、「もし、不採用になったら、どうしよう…」そんな不安を抱えていないでしょうか。
訪問介護を含めた介護業界では、どこも慢性的な人出不足なため、視点を変えて見れば、受かって当然の空気が逆にプレッシャーに感じることもあるかと思います。
そもそも、転職の面接というのは、「積極的に人材を採りたい」と「我が社の求める人材であれば採りたい」の2種類しかなく、介護業界の面接は、前者であることはほぼ間違いないでしょう。
つまり、不採用になるようなNG言動・振る舞いに気をつけてさえいれば、イヤでも採用となるのが介護の面接なんです。
ここでは、介護の面接で不採用になってしまうポイントを7つ取り上げました。
お読みいただけると幸いです。
履歴書・職務経歴書に書いた内容を面接で説明できないのはNG!
まず、履歴書に記載されている字に気持ちが入っておらず、キタナイ状態で提出をすれば、書類選考で落とされる可能性も出てくるでしょう。
字の綺麗さには個人差がありますが、丁寧に時間をかけて仕上げたかどうかは、面接担当者から見れば一目瞭然です。
次に、履歴書に貼る顔写真も、撮影すると意外にお金がかかるので節約したくなりますが、間違ってもプライベートな写真を使用しないでください。
最後に、これがもっとも重要なポイントですが、履歴書や職務経歴書に書かれている内容を説明できないのは、非常にマズイですね。
履歴書や職務経歴書は、面接の場で応募者に質問をするときに使いたいから提出を求めているため、書いた本人が内容を把握していないでは、何のための書類か分かりません。
中途面接では、職歴に関する質問は必ずあるので、内容を覚えるのが不安な方は、(先方へ許可を必要としますが)職歴をメモった用紙などを持ち込んでおくと安心ですね。
身だしなみ、立ち居振る舞い
面接へ挑むときに、以下のような非常識な人材は、まず不採用となるでしょう。
- スエットなど寝巻のような格好で来る人
- イレズミ・タトゥーが入っている人
- 体臭が臭う、不潔な人
- タバコ臭がする人
- イスに座ったときの姿勢が悪い人
- 落ち着きがなく、貧乏ゆすりがヒドイ人
服装に関しては、先方が気を使って「カジュアルな服装で良いですよ」と言ってくださるケースもありますが、基本はスーツ着用です。
清潔感があり、緊張感をもって臨めば、ここで脱落することはまずありません。
連絡ナシで面接を遅刻するのは論外
論じるまでもないことですが、連絡もなく面接に遅刻をすれば、不採用となる確率は高まります。
では、面接会場へ到着する時間は何分前が良いのか?ですが、10分前がベストでしょう。
「遅れるのがコワいから15~30分前に着きたい!」という方もいると思いますが、面接時はあくまでもお客様扱いなので、早めに着くのはイコール先方に来客対応をさせることでもあります。
初めて向かう場所だから早めに着いておきたい方も、可能であれば近隣で10分前まで時間をつぶすのが良いでしょう。
ボソボソした話し方や声が小さい、アイサツができないなどは論外
求人応募のとき、話をするタイミングとしては、以下の2つが挙げられますよね。
- 電話などで面接の日時などの打ち合わせをするとき
- 面接で面接官と話をするとき
まず、電話で先方と話をするときは、(男性はとくに)声のトーンに注意を払ってください。
なぜなら、電話の声というのは、実際に聴く高さよりも低く感じるため、普段のトーンでお話をすると、ぶっきらぼうな印象を与えてしまうからです。
女性であっても、声のトーンには個人差がありますから、意識をして高い声を出すようにしてください。
面接時も同様に、アイサツができない、ボソボソしゃべる・声が小さい、表情がないといったコミュニケーション能力が低い方は、まずホームヘルパー(訪問介護員)として採用されません。
ホームヘルパーはとくに、1対1でお仕事をするポジションですから、介護の現場で事故が発生したときや、介助に手間どってしまい誰かのヘルプを求めるときに、コミュニケーション能力が低いようでは、ご利用者にご迷惑をかけるリスクが高まるからです。
敬語を使えず、タメ口で話すなどは論外!NGですね。
うまく敬語を使えないコンプレックスのある方もいるでしょうが、下手でも間違っていても、相手に誠意をもって接することを心がけていれば、悪印象を与えることはそうないものですよ。
フリーターといっても、介護関係の仕事ではなく、工場の製造関係の仕事だったので
仕事中はほとんど人と話さないので、面接官にも、私は人と接する・話すのが苦手だと
思われたみたいです。最近、周りの人によく暗いっていわれます。前職が契約期間終了してから、ずっと仕事を探しているのですが、全然見つかりません。
無職になってからもう、4カ月が経ちます。介護の仕事なら、求人がたくさんあるので、いくつか受ければ必ずどこか受かると思って
いたのですが、もう、今の状態ではどこにも受からないのではないかと思えてきました。
上記の方のように、「介護ですら受からない」の発想でいる限り、暗くて自信のなさそうなイメージから抜け出せないでしょう。
介護の世界は、ときにはご利用者の命にもかかわる緊張感ある職場なので、どこの事業所においても報告・連絡・相談の徹底がなされていますから、思いや考えを言語化できない職員はNGです。
自己PRと自慢話と勘違いしている
面接における自己PRとは、自慢をひけらかすこととは違います。
「私をここで採用してくれたら、御社に〇〇のメリットがある」ことが先方に伝わるよう話すことです。
応募先の事業所にまったくメリットもないのに、自分の長所をベラベラ話したところで、何の自己PRにもならないということですね。
とくに自慢話に固執するのは、すでに社会人としてある程度の実績がある40~50代の中高年齢層です。
介護業界全体を下にみて、「働いてやる」といった上から目線で話をしていれば、面接官に見抜かれます。
面接官は、合否を出すことが目的ではなく、戦力となるヘルパーを雇うことを目的としているため、横柄な態度の応募者を見れば「この人は傾聴などできないな」「イヤイヤ介護をしている態度では、ご利用者(入居者)さんを傷つけてしまうな」と連想してしまうわけです。
退職の理由として前の職場の悪口を言う
退職理由を面接の場で、「会社批判」や「人間関係への批判」をしてはいけません。
面接官としても、退職理由の大半は人間関係の問題だと分かった上で、応募者がどのような受け答えをするのかを見ています。
すべてのことを人のせいにせず、自分のどこに原因があるのかを自己分析することが大切です。
残業に対して否定的な態度をとってしまう
面接の最期に、面接官へ質問をするタイミングで、残業時間について聞きたがる人は多いでしょう。
残業は家の事情でできない人もいるでしょうし、確認は大切です。
しかし、「残業はやりたくありません」と否定的な態度をとってしまうと、印象は悪くなってしまいます。
残業とは、そもそも突発的に起こったトラブル処理などで必要に応じて行うことで、高齢者のケアをする介護の現場では、イレギュラーな事態はどうしても起こってしまいます。
「残業をやりたくない=責任を取りたくない」と誤解されないよう、話を進めるのが肝心ですね。
ポイント
ただし、残業を悪とする考えには筆者も賛成です。
人出不足を理由に残業を正当化している、むしろ無償の残業を尊い自己犠牲であるかのように語る事業所は、入職をオススメできません。
まとめ
言うまでもなく、介護に対して後ろ向きな態度であれば、どれほど優秀な人材でも、採用はされません。
ホームヘルパーは、基本は一人でケアをするポジションですから、不安やストレスを抱えやすく、お休みの日のストレス発散が下手な方や、すぐに感情を高ぶらせる短気な性格の方は、ご利用者(入居者)への虐待をしてしまうのでは?と勘繰られてしまい、不採用となるケースもあります。
今回は、不採用を避けるためのポイントについてまとめましたが、応募先の事業所や介護業界への知識や理解度、また将来の明確なビジョンや前向きな転職理由など、しっかりとした準備をしておきたいところですね。