ホームヘルパー(訪問介護員)として働きたいけど、もっと収入が欲しい、あるいは、夜勤専従(※夜間のお仕事のみ行う人)を希望する方もいると思います。
何となく、主婦パートさんを中心に日中活動しているイメージがある訪問介護のお仕事ですが、夜間の訪問介護求人は、実は意外にたくさん募集されているんです。
ホームヘルパーが夜勤可能なところは、主に以下の4つが挙げられます。
- 訪問介護事業所
- 有料老人ホーム
- 小規模多機能ホーム
訪問介護事業所は、ご自宅で暮らすご利用者を対象としていますし、政府が推奨する定期巡回・随時訪問サービスを担う事業所もあります。
一方、有料老人ホーム(※以下、有料)や小規模多機能ホームは、入居者を対象にホームヘルパーとして訪問介護のお仕事を担います。
ここでは、そんな訪問介護の夜勤のお仕事について、勤怠管理・夜勤人数・仕事内容など、ポイントごとに情報をまとめました。
これから、ホームヘルパーとして夜勤をご検討されている方のお役に立てれば幸いです。
勤怠管理はタイムカードが主流
ホームヘルパーとして働く登録ヘルパーの場合、自宅から直行直帰で働ける事業所は多いですが、夜勤の場合は、タイムカード等で勤怠管理をされているケースが多いです。
夜勤の人数
訪問介護の夜勤人数は、おおむね2~3人体制が多いですが、まれに1人で勤務するケースもあります。
仕事内容について
訪問先の滞在時間は、1回につき30分から1時間程度で、日中と大差はありません。
訪問介護事業所の夜勤の場合、事業所の営業車などを移動手段としているところもあります。
主なお仕事内容をまとめると、バイタルチェック・服薬管理・水分摂取・安否確認・(※1)入浴介助・衣類着脱介助・排泄介助・食事介助・口腔介助・移乗介助・起床介助・体位交換などがあります。
(※1)「入浴介助」に関しては、夜勤ではなく日勤者が担当するケースが多いです。
日勤との比較
日勤で働くホームヘルパーと比較すると、以下のポイントが挙げられます。
- 身体的な負担が少ない
- ご利用者(入居者)の容態急変時の対応が大変
まず、訪問介護の夜勤では、「掃除」や「入浴」など比較的負担の大きい介助がなく、基本的に夜間に睡眠中のご利用者(入居者)へのケアが目的なので、身体を動かすようなお仕事が少ない特徴があります。
しかし、ご利用者(入居者)の容態急変時(※容体急変時の対応については後述します)などは、優先順位をつけて迅速に行動することを求められるため、緊張感は日勤のそれと比べて大きい傾向にあります。
施設の夜勤との比較
施設夜勤の場合は、2人で50名以上の入居者を見守るケースもあるほどで、安否確認だけでも大変な労力を要しますが、訪問介護の夜勤ならここまで苦労しません。
施設夜勤と、訪問介護の夜勤を比較すると、肉体的にも精神的にも負担が軽いのは後者です。
ただし、有料などの入居者をケアする場合、ナースコールや認知症の徘徊への対応に追われるケースもあります。
見守りセンサーの導入など、対応力の高い施設の求人がオススメです。
急変時・緊急時のオンコール対応について
ご利用者(入居者)の容態急変時の対応については、働く事業所や施設のマニュアルによって変わってきます。
大きく分けると、サービス提供責任者(※以下、サ責)やケアマネなどの上司への連絡か、提携する病院や医師、看護士などの医療機関への連絡があります。
「主治医を待つより救急車を呼んだほうが早い」など、現場の判断で救急車の手配をすることもあるようですね。
- 事務所のサ責に連絡
- 事務所のケアマネへ連絡
- 提携病院に連絡する
- 救急車を手配する
- 主治医に連絡
- 看護士に連絡
事業所や有料などの施設は、夜間のケアを受け入れる際に、事前のアセスメントで夜間に訪問可能な往診医や看護師の人員について、医療体制(オンコール体制)の確認をしています。
(※もし、夜間の医療体制が不明瞭な求人なら、応募は控えたほうが良いでしょう)
急変時には、普段の介助の中で把握しているご利用者の心身や健康状態と照らし合わせて、バイタルチェックを含めてどう変調があるかを正確に判断することが大切になってきます。
異変があるからといって独断で処置はせず、医師や看護師にできるだけ状態を正解に伝えて指示を仰ぎましょう(※指示を受けて応急処置をすることもあります)。
どんなときでも冷静な対応を心がけて、いつでも連絡がつくよう携帯電話の充電はしっかり確認しておきたいところです。
救急車の手配は、ご家族の了承を得て呼ぶこともあれば、「吐血したら搬送」「自発呼吸が止まったら搬送」などのように、事前に取り決めをしている場合もあります。
また、救急隊員と経過を見守ってから、搬送するかどうかの判断をすることもあります。
基本的に、ホームヘルパーは各所への連絡をするまでが責任区ですが、中には救急車同乗を行うところもあるようですね。
搬送先の病院で付き添いが必要なときや、生死を分ける局面であれば、ご家族への連絡も必要になってきます。
どこの事業所や施設でも、緊急時の対応マニュアルを配布しているハズなので、常に保持しておく必要があるでしょう。
訪問介護の夜勤は日勤ほど体力を必要としない
訪問介護の夜勤は、日勤のお仕事と比べて、基本的に体力は必要としないケースが多いです。
ただし、ご自宅で暮らす訪問介護と、有料や小規模多機能ホームなどの施設入居者を対象とした訪問介護では、必要な体力は違ってきます。
- 要介護度の低いご利用者(入居者)が多い
- 訪問先を移動する負担がある
- 生活リズムの乱れ・眠気のツラさ
まず、訪問介護を必要とするご利用者は、ご自宅で暮らせるだけの日常動作ができる方が多いため、介護施設の夜勤よりも体力的にラクな環境が多いです。
ただし、通常は睡眠を取る夜間に活動するため、ラクに感じるかどうかは個人差はあるといえますね。
次に、在宅における訪問介護に関しては、有料や小規模多機能ホームと違い、車などによる移動があるので、運転をする場合は眠気覚ましドリンクなどの対策も考えたほうが良いでしょう。
休憩や仮眠のとり方は事業所によってさまざま
休憩や仮眠については、訪問介護の形態(在宅介護や定期巡回、施設など)によって違いますが、(車移動のあるお仕事なら)車の中や事業所内を使われることが多いです。
事務所で休憩や仮眠をとる求人は、仮眠室があるかどうかの確認をしておきたいところですね。
いつ休憩をとるかについての明確な基準がないところも多く、まとまった時間を休憩に回すことが難しいので、訪問の合間でも「取れるときに取っておく」という考えが主流です。
2~3名の複数勤務の環境の方が、交代で休憩しやすいですね。